元々のDAP環境は、
SONY WALKMAN NW-A856 に、
WALKMAN専用の
SONY ネックストラップヘッドホン MDR-NWN33S。出歩くときに気軽に聴くための物。
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NW-A856 と MDR-NWN33S |
WALKMAN のノイズキャンセラー機能を生かそうと思って、この選択になった。が、なかなかノイズキャンセラーを使う機会が無い。
結局、本領を発揮できず、ただのネックストラップ付インナーフォンと化してしまった。
どうせノイズキャンセラーを使わないならば、もうちょい良いインナーフォンが欲しいとは思っていて、
SONY XBA-3SL はずっと考えていたんだが、なかなか購入までには至らず…。
そんな感じでいたところ…。ちょっと必要になった小額の小物の送料をケチる為に、高額な
XBA-3SL をいっしょに買って送料無料にする。と言う、なんとも本末転倒な購入動機ができたんで、思い切って購入した。なにか理由をつければ、結構高いものでも不思議と買えるものだ。
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XBA-3SL パッケージ |
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XBA-3SL 付属品 |
付属品として、ポーチ、延長コード、コード長アジャスター、ハイブリッドイヤーピースSS~L 4種、ノイズアイソレーションイヤーピース S~L 3種。
MDR-NWN33S と XBA-3SL の比較
ストラップ無しの
MDR-NWNC33 が実売4,000円程度なんで、実売13,000円程度の
XBA-3SL と比較するのも何だが…。比較して、大して変わらなかったら、それはそれで金返せ!って話でもあるし…。
使用中の
MDR-NWN33S(
MDR-NWNC33 と同じ様なもんだろう)は、周波数的には良く出てる。なかでも低音は出ていて、個人的にはボンついているのもあって過剰だと思える。
解像度は、まぁ、価格相応。どうも一枚ベールを被ったような感じ。このせいで、周波数的に高音は出ていても、物足りなく感じる。
その物足り無さを補おうと音量を上げると、ボンついた低音がしんどい。結局、イコライザで相当弄って聞いていた。
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イコライザー設定 |
歳とって、耳が悪くなったせいも有るんだろうが、低音を下げるために相当極端なイコライジングだ。ハイを+1、400Hz以下を-1する意図。
さて、
XBA-3SL。
買った当初は、なんかクッキリし過ぎで低音も出ていなくて、ちょっと参ったが、3日程、夜中中、
XLO Test & Burn in CD 鳴らしてたら落ち着いた。ダイナミックと比べると、随分と慣らしが早い印象だ。機械的駆動部が小さいってのが大きな要因かな?
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Test & Burn in CD 随分昔に買った物だが、何かと役に立つ |
イコライザーはオフ。ちょっと高音もの足りないかも。しばらく使ってから補正しよう。AVアンプ系なんかも、スピーカーのイコライザー補正で、高域をちょっと上げてちょうど良く聴こえるくらいに歳とってしまった。悲しいね…。
MDR-NWN33S と比較して、若干全体の音量が少なく聞こえる。
こちらも、周波数的には良く出ている。普通の曲を屋外で聴く分には、十分ワイドレンジ。とは言っても、そこはさすがにバランスドアーマチュアなんで、ウーファー付けても、サブウーファー領域の超低音は、弱い。
ショスタコーヴィチ交響曲第2番の冒頭が、その超低音で始まるんだが、
MDR-NWN33S と比較するとさすがに出ない。サブウーファー積んでる
XBA-4SL だと、そこいら辺の超低音もカバーできているのだろうか?
どうせ、外で聞く分には、そんな音どっちで聞いても聞こえないんで気にしない。
解像度は、べらぼうに高い。
目から鱗とは言うが、耳からだとなんだろうね?さすがに3倍の価格差は有る。高音はもちろんだが、周波数全域にわたって、解像度が高い。音の輪郭がビシッとしていてぼやけた感じがしない。特に低音のキレはすばらしい。スピーカーで言えば、ダンプの効いたスピード感の有る低音だ。こういう低音だと、聞き疲れしなくて助かる。
高音域目的で買った
XBA-3SL だが、このキレの有る低音域にも魅力が有る。
アコースティックな小編成の音楽(例えばジャズ)なんかだと、定位のし方の違いが良く判る。
MDR-NWN33S だと、その辺で鳴ってる程度が、
XBA-3SL だと、そこで鳴ってる。と言う感じで聞こえる。ぼやけない。
おもしろい事に、
XBA-3SL を聞いた直後に、イコライザーオフのままで
MDR-NWN33S を聞くと、普通に聞けてしまう。特に周波数的に出ていないとかも感じないんだが…
これが、しばらく聞いていると、やっぱりもやもや感が出てきて、しんどくなる。不思議なもんだ。
ところで、周波数は周波数で良いとして、解像度ってのは、物理的に言うと時間軸の評価尺度なんだろう。過渡応答特性とか、インピーダンスの周波数依存とかが、最終的には位相差となって現れ、それを、音像の定位や解像度、輪郭なんて言う言葉で表現する事になるんだろう。
XBA-3SL の欠点。冨田勲の初期の作品なんかを聞くと、頭の中かき回されてるみたいになる。というか、
XBA-3SL に限らず、解像度の高いインナーフォンで聞けば、どれでもそうなりそうな気がする。
MDR-NWN33S だと、そんなに気にならないってのは、おもしろい。もとよりスピーカーで聞きなさいよって話なんだろうけど。
冨田の初期のアルバムなんかだと、位相をコントロールして、音の定位のおもしろさを相当強調してるんで、こんな事になるんだろう。
一度、BA機になれると、もう戻れなくなるかなぁ…。
XBA-3SL は総じて、良い買い物だった。